CAM(キャム)はComputer Aided Manufacturingの頭文字で、意味は「コンピューター支援によるマテリアルの削合」です。マテリアルは原材料を意味し、ここではセルコンベースという物です。ですから「コンピューター支援によるセルコンベースの削合」と山本歯科医院ではなります。
主役は左上の写真の機械、セルコンブレインです。おそらく、今の山本歯科医院で最大最重量の機械です。そして削り出すセルコンベースは左の物です。大きさは4種類、色は2種類あります。白いのがホワイト、ピンク色をカラードと呼んでいますが、ピンク色も焼成すると白くなります。全体の流れをおさらいすると、セルコンアイで読み取り、セルコンアートで設計し、そしてこのセルコンブレインでジルコニアのフレームを削り出します。
セルコンベースをセルコンブレインにセットした状態が左の写真です。真ん中にある部分が、セルコンベースを支え、微細な動きをしてジルコニアフレームを削り出していきます。しかし、セルコンベースは表裏にしかならないので、上下方向からしか削り出しが出来ません。その為、「3D設計」のページで書いたような手間を掛けます。
実際のセルコンベースを削り出した直後の写真です。実によく似た写真で分かりにくいです。①の写真は被せ物の上の方から削った写真で、②その逆で下から削った写真です。
③、④、⑤の写真はセルコンベースから 取り外した写真です。③は舌側(舌がある方向)から見た写真、④は下から見た写真、⑤が頬側(頬のある方)から見た写真です。
この時のジルコニアフレームは非常にもろいです。おそらく20−30センチメートルから落としたら、おそらく砕け散ると思います。しかし、これを焼成すると本来の硬さに変化します。
セルコンベースには色が2色あります。カラードとホワイトです。左の写真のジルコニアフレームはカラードです。この2色の使い分けは専門用語で言うと、
VITAのシェードでA1,A2はホワイト、それ以上はカラードで作ります。おおざっぱな言い方で良ければ、本当に白っぽい歯はホワイト、 それ以外はカラードで作ります。
削り出す時間は1本あたり10−12分位で削り出します。それにこの状態のジルコニアフレームは一回り大きい状態です。理由は焼成すると大きさが収縮するからです。収縮率は製品と同封のUSBメモリーに入っていて、収縮するのを計算された大きさで削り出されます。