セレックについて
セレック(CEREC)はCAD/CAM技術を応用した機械です。詳しく言い換えるなら、コンピューター支援で歯の情報を読み取ります。その情報を元にコンピューター支援により設計を行います。そしてコンピューター支援のもとで、歯を加工する機械です。修復可能なものはインレー、オンレー、クラウン、ラミネートベニアと多種にわたります。
セレック(CEREC)は主にオールセラミック修復が可能な機械です。あえて主と書いたのはハイブリットレジン等オールセラミック以外の物も削り出す事が出来るからです。削り出すものをブロックと呼びますが、セレック用のブロックなら何でも削れます。そして色々あるブロックの素材(セラミックやハイブリットレジン)や歯の色に合わせたブロックを選択することにより美しい歯を再現していきます。
山本歯科医院ではブロックとしてイボクラ社のe-maxとエンプレスを使っています。エンプレスも優れていますが、e-maxは強度があり、臼歯部でも対応できます。e-maxの出現が臼歯部のセラミック修復を変えました。e-maxは強度はありますが、エンプレスより若干手間がかかるところがあります。e-maxの特徴は後ほど詳しく述べられると思います。
セレックはスイスのチューリッヒ大学で開発された物で、英語でCERECです。CEはCEramicm(セラミック)、RECはREConstruction(復元)から作った言葉です。セレック(CEREC)は日本語に訳すなら「セラミックで復元」という意味合いになります。
左の写真がセレックです。写真の右側の機械が診療室で使っていもので、CAD/CAMで言うなら、CADの部分です。本体にはカメラが付いていてそのカメラが優れものであり、削った歯を写すと立体画像として映し出してくれます。これがセレックの特徴の1つで、光学印象採得と呼ばれています。そして歯の立体画像から設計を行うのも右の機械です。
左側の機械はCAD/CAMでいえばこちらはCAMの部分です。設計したものを2本のバーがブロック(e-maxやエンプレス)から歯を削りだしてくれます。種類にもよると思うのですが、15分位で削り出してくれます。
セレックの特徴の1つに光学印象採得があります。光学印象採得は光学カメラを使用し(左の写真の①がそのカメラです)、瞬時に形成歯を光学印象します。噛み砕いて説明するなら、セラミックで治療する歯を削り終わったとします。普通は印象採得をして型を取ります。通常その型を利用して技工士さんが詰め物や、被せ物を作ってきます。しかしセレックは印象をとる替わりに、光学カメラで削った歯を写します。この光学カメラが特殊なもので、削った歯を立体画像として取り込みます。(左の写真②がその原理のようです)
セレックの最大の特徴をあげるなら、即日加工が出来ることです。歯を削った後、光学カメラで光学印象採得をすると、模型を作る必要がありません。この模型を作る必要がないことが、画期的なことなのです。それを支えているのが、上で述べた光学カメラです。