設計が終わると今度は削り出す段階です。CAD/CAM技術で言うとCAMの段階です。削り出す機械はミリングマシーンと呼んでいて、左写真の左側にある機械です。
左右の機械は有線でつながっていて設計の情報を送ると削り始めてくれます。種類にもよりますが10分から15分程度で削り出してくれます。削り出すのをブロックと呼んでいますが、ブロックの種類は色々あります。違いはまず素材です、ブロックの硬さなどの特徴が色々あります。そして色です。人それぞれ歯の色は違うように、それに合わせるよう色々な色のブロックがあります。
山本歯科医院で主に使っているブロックはイボクラビバデント社のエンプレス(EMPRESS)とe-maxです。二つの一番の違いは強度です。分かりやすく言うと、かむ力に対してe-maxはエンプレスの2倍ぐらい強いです。
エンプレスは前歯部1,2番とか小臼歯部(前から数えて1,2,3番目までが前歯で、4,5番目が小臼歯です。)に向いています。そしてe-maxは大臼歯や犬歯(大臼歯は前から数えて6,7番目、いわゆる奥歯です。犬歯は前から数えて3番目の歯です)に向いています。ただこれはおおよその分け方と思ってください。
上の左の写真はエンプレスのブロックの写真です。他にも種類はありますが、大きさや色の違いが多少分かっていただけると思います。右の写真はe-maxのブロックの写真です。e-maxのブロックはエンプレスのブロックとは最初の色が全く違います。e-maxは実際は非常に硬いのですが、硬すぎるのでブロックの段階では半焼性の状態で少し柔らかいです。この状態でブロックを削り出し、後ほどハーネスという焼成炉で焼くと歯と同じ色合いになります。