穿孔機とダウエルピン
左にある機械は穿孔機といいます。これは模型にダウエルピンを立てるために模型に穴を開ける機械です。模型を取り出したら模型の底の部分をトリマーといる機械で平に整えます。平に整えた部分に穴を開けることにより、穴はいくつ開けても平行になります。この平行に開けられることは後である利点を生みます。

上の写真で左は模型に穴を開けた所です。そして右は模型にダウエルピンを立てた所です。右の写真の下にあるのが、支台歯(被せ物の歯のことを指します)に付けるダウエルピンです。このダウエルピンは2本のタイプで、ピンとそれを受ける2つのパーツで出来ています(日本刀の刀と鞘の様に出来ています)。ピンが2本あることは支台歯が回転しなくなります。この回転しないということはブリッチを作製する上では誤差を抑える働きがあり、技工を行う上でとても大切です。
模型にピンを立てると、今度は左の写真のようにマウントします。マウントはダウエルピンの部分を石膏の中に埋めてしまうことです。固まると下の写真のように取り外せます。穿孔機で平行に開けてあるので、ピンが何本立っていても問題なく取り外せます。
模型を取り出すと今度はそれを分割していきます。分割は以前は糸鋸(いとのこ)を使っていましたが、今は左のディスクを使います。ピンが平行に並んでいないと、模型の切断は上から糸鋸で切るしかありません。しかし、穿孔機のお陰で模型を一塊で取り外せると、分割をディスクを使えます。利点は非常に薄くて良く切れる。模型の頬側(模型の外側)、舌側・口蓋側(模型の内側)からディスクを入れられ、歯列に沿って分割出来る事です。ピンと来ないと思いますが、頬側と舌側からディスクを入れられるということは、模型分割において実はとっても便利なのです。