グレイジングとは補綴物(かぶせ物、e-maxやエステニア)につやを出す効果と思っていただければ良いと思います。セレックでブロックを削り出した後、削り出されたセラミック(e-maxやエステニア)を研磨(磨き上げる事)するとそれなりに輝きを増します。金属などは研磨をするだけで輝きが出ますが、セラミック(e-maxやエステニア)はそれだけでは少しくすんで見えます。
グレイジングはe-maxやエステニアの上にグレイジングペーストを塗布してハーネスと言う炉で焼き上げる作業です。まずはペーストの説明ですが、下の写真は左側がエンプレス用のペースト、右側がe-max用のペーストです。両方とも一番上にあるのが今説明しているグレイジングペーストです。その下はステイン用のペーストです。
シェードについてひとつ前のページで触れましたが、歯の色を例えばA2と決めたとします。これはただ単にベースになる色を決めたに過ぎません。実際の患者様でまさにA2でまじりっけなしという方も確かにいます。ですが、多くの方は他の色が混ざっています。しかも人それぞれ異なっていますし、同じ人でも上と下の歯でも違うし、前歯と奥歯でも違うのが当たり前です。その違いを出来るだけ似せて作るのをステイニングと言います。
その際使うのが上で触れがステイン用のペーストです。エンプレス用とe-max用とそれぞれ分かれていますし、色々な色があります。無い場合は混ぜて似せて作ります。ステイニングは塗ったら必ず1回ハーネスと言う炉で焼きます。その工程を繰り返します。
今度はステイニングの難しい場合について説明します。ステイニングで出来る事は色をたす事です。逆に色をぬいたり、明るくする事は出来ません。ですから、シェードテイキングで必要なことの一つは一番明るい色を基準にすることです。上の写真の矢印のところの色は左右同じ色です。写真の取り方にもかなり問題があるのかもしれませんが、繰り返しますが同じ色です。右の写真でかなり濃い色合いを出していますが、濃い色に合わせてシェードのベースを決めていたら、暗い色に明るい色をのせても明るくすることはできません。それ故に明るい色をベースにしてステイニングで調整しました。
基本的にシェードに関してはエンプレスもe-maxも明るい色にベースをおきます。しかし歯の色合いが、あまりにも明度(明るさ)のギャップがある歯や複雑な色合いをしている歯ではステイニングでは十分対応出来ないこともあります。その場合はジルコニアセラミックをお勧めする事もあります。シェードについてはやればやるほど大変さがわかってきました。しかし、山本歯科医院ではシェードにこだわりを持って治療にあたっている事を分かっていただければ幸いです。