一次矯正治療は前歯上下顎1番、2番の8本、6歳臼歯6番(上下左右)の4本を正しい位置で噛むように矯正します。左の写真で青色の数字が並べる歯になります。黒のC,D,Eは乳歯です。治療の期間はおおむね6才から10才くらいまでの間に矯正治療を行います。
一次矯正治療の目的は、本格的な不正咬合になる前に乳歯列(子供の歯)の間に行う矯正治療です。乳歯列(子供の歯並び)から永久歯列(大人の歯並び)になる頃は、顎が成長する時期になります。成長期に正しい噛み合わせを確立する事で、顎の成長を促しその後の永久歯列へつなげていく事を目的としています。
ここでおそらく疑問が湧くと思います。「乳歯C,D,Eは並べなくていいの?」、「大人の歯並びは大丈夫なのか?」等あるのでは無いでしょうか。その疑問にお答えするにはリーウェイスペースに触れないといけません。
乳歯C,D,Eの3本の幅と永久歯4,5,6番の3本の幅は実は子供の歯である乳歯C,D,Eの3本の方が幅があるのです。
下の図を御覧ください。3本の幅は上下とも子供の歯の方幅があります。この幅の余裕の事をリーウェイスペースと呼びます。また、乳歯C,D,Eと永久歯4,5,6番の事を側方歯群と呼んでいます。
左の図で、一次矯正治療で1,2,6番(青色で示した歯)を矯正治療で正しい位置で噛ませると、乳歯C,D,Eの幅(赤矢印の幅)の方が3,4,5番(白色で示した歯)の方が小さいので普通は自然に並びます。これが一次矯正治療で歯が並ぶ理由です。
1)早い時期に歯並びを改善する事で、よく噛むことが出来る。
2)よく噛めることで、成長期に顎の成長を促す刺激が顎に伝える事が出来る。
3)成長期に成長する力を矯正に利用できる。
4)審美性の改善
5)虫歯の発生の抑制(歯並びがよい方が磨きやすくなります)
個人的な意見ですが、小さい頃に矯正治療を行うには別な点でメリットがあります。それは小さい子の方が言う事を聞いてくれる事です。ある程度お子様が大きくなると、親御さんが矯正に前向きでも当の本人が、「かっこ悪いから嫌!」、「目立つから嫌!」とか言ってやらないお子様は珍しくありません。
それと大きくなるにたつれて、塾とかクラブ活動とか習い事で忙しくなり、矯正治療がおろそかになる事もあります。中学生だと、「中間、期末で忙しいの!」と言われれば、「勉強頑張ってください。」と応援するしかありません。
それに比べ7,8,9歳位のお子様は、親御さんの言う事を素直に聞いて矯正を受け入れてくれます。それに小学生5,6年や中学生より忙しくないので通院できます。きちっと通院していただければ、それなりに治療効果も期待出来ます。
一次矯正治療の治療費
40万円(税別)
毎月の調整料として4000円(税別)
歯を動かす力は、顎間ゴムが主です。(顎間ゴムについては、全顎矯正の矯正治療の「歯を動かす力は何処から来るか?」をお読み下さい。(クリックすると飛びます)
ゴムをどれだけ入れているかが、矯正している時間を決めます。その為、親御さんもゴムを入れているかをチェックする事をお勧めします。「ゴムいれた」と聞くのではなく、「あーんして」とゴムを確認して欲しいです。ゴムを確認する際、一緒に磨けているかも確認して下さい。理想は親御さんによる仕上げ磨きですが、磨き不足ならもう一度歯ブラシするよう呼びかけて下さい。